岐宿の閑静な住宅街にあるこの古社は、原生林に囲まれ、福江最大級の神楽が奉納される。 この神社は804年、空海(774-835)という僧によって、近くの宮小島に3人の海の女神を祀るために創建された。14世紀末、支配者であった五島氏は、神社を新しい権力の座である岐宿の近くに移させた。 毎年9月中旬には、太鼓、笛、銅鑼を鳴らしながら神楽を舞う例祭が行われる。巫女(みこ)と仮面をつけた踊り手が、観客に囲まれた小さな畳の舞台で舞う。舞の多くは民話や神話に登場する物語を描いたもので、人気の高い獅子舞は、獅子と天狗の対決をアクロバティックに描いたものだ。 参道には灯籠を載せた石垣が立ち並び、原生林の木立に守られている。現在、長崎県の指定文化財となっている原生林は、長い間、神社の境内でのこぎりや手斧を使うことを禁じていたため、樹木の精霊を敬う意味合いもあって存続してきたと考えられている。