房住山(標高409m)は、何世紀ものあいだ、山岳仏教の修行の拠点であった。現在、この手付かずの森は、慈悲の菩薩である観音菩薩の像が33体並んでいるハイキングコースで知られている。房住山という名前は「僧房が住む山」を意味し、かつて僧侶がこの山に住んでいたことに由来している。 この山に関する最も有名な話は、後に東北の蝦夷を平定したことで知られる将軍、坂上田村麻呂(758~811)と戦った長面兄弟の運命について語られたものである。非常に長い顔をしていると言われていた三兄弟がいたが、そのうち二人は、田村麻呂軍と戦って亡くなり、長男は房住山に逃げ込んだ。田村麻呂が逃げた者を見つけられるよう祈ると、山から雷鳴のような声がとどろき渡るのを聞いた。それは兄弟を失ったことを嘆き悲しんでいた、生き残った長男の声であった。長男の叫び声はとても大きく、山寺を破壊し、その下にいた彼をも押しつぶしてしまった。 山のハイキングコースに並ぶ33体の観音像は、1860年に地元の人々によって奉納された。観音様は33体の姿を持つと仏教の経典に説かれており、日本には33体の観音像を結ぶルートがたくさんある。そのルートに沿って三十三箇所を巡礼することで、特別なご利益があると信じられている。代表的なものでは「西国三十三所巡礼」のように、複数の都道府県にまたがる数百キロにも及ぶルートがある。これらのルートは、「巡礼路」と呼ばれ