神聖な山々に登り、火山の力で刻まれた穏やかな岸辺を臨む 十和田八幡平国立公園は本州北部の奥地にありながらも、東京から新幹線で気軽に足を運ぶことができます。しかし、そこに広がる山々や広大な湖では、全くの別世界が待ち受けています。静寂が支配する風景の下、人里離れたこの地域から一望する日本の原風景は、さながら新天地のようです。豊富なハイキングコースを散策するのもよし。歴史ある参道を辿って神秘的な建造物に出逢うのもよし。 八幡平への登山 静寂の中、この地を生んだ、ある自然現象の壮大さを思い起こさずにはいられないでしょう。公園内で八幡平の南にそびえる成層休火山、岩手山は、溶岩台地の上に静かに佇んでいます。山から続く焼走り熔岩流は、18世紀の噴火が堆積したものです。その地形は、今日私たちが知る日本列島の姿を作り上げた凄まじき力を物語っています。火口の頂上に並ぶ数々の宗教的な彫刻や像を見れば分かるように、目の前に広がるものと同じ地形が、今日まで繁栄を続けてきた独自の歴史や精神文化の基礎を成しているのです。 火山の頂に近づくにつれ、足元に眠る信じがたいほどの力を感じ取ることができるようになります。火山からの噴煙が斜面をゆっくりと漂い、沸き立つ泥水が地面から顔を出し、うっそうとした森や火山からは温泉水が吹き上げています。ここでは、日本人の自然との関係から生まれた独特の文化を感じ取るができます