料亭金勇は、能代の材木会社が顧客や政治家をもてなすための迎賓館である。1880年にオープンしたが、現在の建物は1937年のものである。 20世紀初頭、能代の町はこの地域の木材産業の中心地として栄えた。高価な秋田杉は、米代川の河口から全国各地に出荷された。金勇は木材産業の最盛期に建てられ、その豪華な内装と見事な木工品は、地元の木材の品質で来賓を感動させようとデザインされた。秋田杉は、建物のデザインのあらゆる点で使用されており、建物の構造や装飾に用いられた。 いくつかの部屋の天井板は、大きな杉から採られている。1階の広間には、1本の木から採られた板が5枚あり、その大きさは、長さは9メートル以上、幅は約1メートルである。2階の大広間には杉の巨木の根元を切り出して作られた200平方メートルの格天井がある。1階の他の部屋には、建物が完成するわずか数年前に能代で考案された、当時の最先端の技術である張柾合板(ラワン板に貼る杉のベニア板)が展示されている。また、その他多くの複雑な手工芸品が、食事用個室の引き戸や床の間を飾り立てている。持続と成就を象徴する三つ揃いのシンボル「松竹梅」の縁起の良い装飾モチーフが建物全体に見られる。