鹿沢温泉は、マグネシウムと炭酸水素ナトリウムを含む天然炭酸温泉である。群馬県の温泉のほとんどは、微量のミネラルしか含まない単純温泉か、硫酸塩泉、塩化物泉のいずれかである。源泉から47.5度の熱水が湧き出ており、地表に到達するまでに冷えるため、浴槽に注ぐ前に加温・冷却する必要がない。炭酸水は、血行を促進し末梢神経を刺激するため、肌に良いとされている。 鹿沢温泉は、昔から癒しの湯として知られてきた。温泉発見の神話の一つは650年前にさかのぼり、白い煙が立ち上っているのを不審に思った村人たちが山を登ったところ、彼らの前に薬師如来が現れ、地面から熱湯が湧き出した。 もう一つの伝説によると、「鹿沢」(「鹿の小川」の意)という名前は、温泉の湯で傷を癒した一匹の鹿に由来するという。 鎌倉幕府(1185年~1333年)の創始者である源頼朝(1147年~1199年)は、1193年にこの地で狩りをしていた際に小屋を温泉に建てさせたが、文書で確認できる最初の浴場は1562年になってから初めて登場している。江戸時代(1603年~1868年)を通じて、鹿沢温泉は大変な人気を博し、旅館や日帰り入浴施設が建ち並ぶ賑やかな町となった。1918年には5つの共同浴場が設けられ、年間約5,000人の利用者があった。 その年、災害が襲った。大火災により町は全焼し、唯一残ったのは紅葉館だけだった。紅葉館は現在まで残っている