(436 ww [251-500], web) 熊野那智大社の宝物殿は、中庭を挟んで拝殿の向かいにあります。建物内では、神社の歴史や祭事にまつわる品々が常設展示されています。 曼荼羅と古文書 宝物殿に入って最初に目に入る展示は、熊野那智大社の世界を緻密な絵画として表現した『那智参詣曼荼羅』です。那智参詣曼荼羅の作例は複数現存しますが、この一点は特に保存状態が良く、約500年前に描かれたにも関わらず今なお鮮明です。那智参詣曼荼羅は、熊野比丘尼(尼僧)が日本中を旅して熊野信仰を布教する際の視覚的な資料として使われました。 またこの宝物殿には、非常に多くの年代記や古文書類、鋳銅製の印章、そして版木も収蔵されています。この版木は、72羽の烏で漢字で「那智瀧宝印」という言葉が綴られた紙の護符、「烏牛王宝印」を作るのに使われていました。熊野三山の各神社は今でも新しい版木を使ってそれぞれの護符を作っています。 火祭の鏡 那智大社には、かつて、火祭で那智大滝に運ばれた神輿に使われていた小さな丸い鏡がたくさん保存されています。神輿は日の丸が描かれた数々の扇と、これらの扇を固定する鏡で飾られます。 古来、鏡は神道において重要な位置を占めています。鏡は太陽の女神且つ皇室の守護神である天照大御神の象徴で、厄を祓うとされています。宝物殿に展示されている鏡は、過去数百年の火祭の神輿に使われていま