槍の形をした山頂を持つ槍ヶ岳は、中部山岳国立公園内の穂高連峰の中でひときわ目立っています。高さ3,180mのこの山は日本で五番目の高さを誇ります。槍ヶ岳はスイス・イタリア間のアルプス山脈にまたがる有名な山に似ていることから、別名「日本のマッターホルン」と呼ばれています。 播隆上人(1786-1840)は1828年に槍ヶ岳の登頂に成功したと記録されている最初の人物です。播隆はこの山をこの世における仏教の浄土の象徴として見ていました。言い伝えによれば、彼は一ヶ月を超える期間、頂上近くの小さな洞窟で仏教のマントラを唱えながら過ごしたといいます。1878年、日本国外から来た人物で最初に山頂に到達したのは、イギリスの鉱山技師、ウィリアム・ゴーランド(1842-1922)でした。「日本アルプス」という言葉を作ったのはこの人です。その後半世紀の間にレクリエーションとしての登山が日本において急速に発展し、「ヤリ」という名で親しみを込めて呼ばれる山には、毎年多くの登山者が訪れています。さまざまな難易度のたくさんの登山道が山頂へと続いています。最も人気のあるコースは、素晴らしい山の眺望と比較的軽い登山が組み合わさった上高地からのアプローチです。 夏には山の稜線に沿って高山植物の花々が咲き、上部斜面では標高の高い地域に巣を作る絶滅危惧種のライチョウ(rock ptarmigan)が見られることもあり