1965年に開館した熊谷美術館は、熊谷家のプライベートコレクションを展示している。コレクションを展示するこの建物は、1768年に長州藩の塩商人であり、御用商人でもあった熊谷五右衛門芳充(1719~1791)が建てた熊谷家の住宅であった。熊谷家は、江戸時代(1603~1867)の萩の有力な商家の一つであり、非常に裕福な家柄であった。母屋・別館・本蔵・宝蔵の4つの建物が重要文化財に指定されている。 収蔵品は3,000点以上ある。室町時代(1336–1573)の名画家である雪舟等楊(1420~1506)の絵画をはじめ、楽焼名人の11代慶入(1817~1902)や陶芸家・画家の尾形乾山(1663~1743)の茶道具、屏風、古地図、アンティークの萩焼、絵画、書、その他の茶道具などが展示されている。"また、雲谷等璠(1633~1724)の「花鳥図屏風」も注目である。展示品は約4ヶ月ごとに入れ替わる。 常設展示されているのは、日本最古のピアノである英国式ピアノフォルテ。出島のオランダ東インド会社に勤務していたドイツ人医師フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796~1866)が、1828年に4代目熊谷五右衛門(1795~1860)に寄贈したものである。