遠藤周作(1923–1996)はカトリックをテーマにして小説を書いたことから「日本のグレアム・グリーン」と呼ばれることがあります。特に1966年に出版された遠藤の傑作『沈黙』は、17世紀に日本人キリシタンが受けた残忍な迫害の中で、イエズス会のポルトガル人司祭が信仰に対して抱いた疑いに向き合う物語で、カトリックが弾圧された1930年代のメキシコを舞台にした飲んだくれ司祭の物語であるグレアム・グリーンの『権力と栄光』とよく比較されます。 遠藤周作は東京で生まれ、人生の大半を東京で過ごし、フランスにも長期留学しましたが、カトリックと繋がりが深い外海地域に強い愛着を抱いていました。彼は『沈黙』だけでなく、1860年代のキリスト教迫害の終末期に翻弄された愛の物語『女の一生 〈一部〉 キクの場合』(1982)の舞台としても外海を選びました。遠藤の未亡人と息子が2000年に遠藤周作文学館をこの地に設立することに同意したのも、彼と外海との強い繋がりによるものです。文学館は、片側に外海集落と出津集落の丘陵地、反対側に角力灘と五島列島を望む素晴らしい場所に建てられています。 常設展示では遠藤の書斎の再現や多数の写真、原稿などを見ることができます。また、特定のテーマを中心とした特別展も開催されています。